【ドクターズコラム】22時から2時は睡眠のゴールデンタイム? 睡眠と美容・アンチエイジングの関係とは

【ドクターズコラム】22時から2時は睡眠のゴールデンタイム? 睡眠と美容・アンチエイジングの関係とは

Girl and her dog in the bed.

睡眠不足はダイエットの敵! 太らないための眠り方

睡眠と肥満度には、密接な関係があります。肥満度は7~8時間眠る人が最も低く、それより睡眠時間が短くても長くても肥満度が高くなります。7~8時間睡眠の人に比べて、5時間睡眠の人は肥満率が50%アップし、4時間以下の睡眠では73%も上昇します。

睡眠時間が短いと、満腹ホルモンの「レプチン」が減り、空腹ホルモンの「グレリン」が増えます。睡眠時間が5時間の人は8時間の人に比べて、レプチンが16%少なく、グレリンが15%も増えます。つまり、睡眠時間が短い人は、食欲が増して太りやすい体質になる、ということです。

また、夜遅くに食事をすると、日中よりも体脂肪が増えます。食事からとった脂肪を脂肪細胞にため込む働きがある「BMAL1(ビーマルワン)」というたんぱく質は、昼と比べて夜には働きが20倍以上も活発になるからです。

「睡眠ダイエット」を成功させるために、夕食は就寝時刻の3時間前には終わるようにしましょう。胃腸の働きが少し落ち着いてから寝床に入ると、グッスリ眠れます。夜遅くに夕食をとらざるを得ない人は、夕食を夕方と深夜の2回に分ける「分食」を試してみてください。

美肌のゴールデンタイムは22時~2時?

「成長ホルモン」は、子どもだけのものではありません。分泌量は減りますが、大人にとっても、肌をはじめとする全身の細胞のメンテナンスや、新陳代謝に重要なホルモンです。成長ホルモンは、深い睡眠の時にたくさんに分泌されます。深い睡眠は、寝ついてからの3時間に集中的に現れるので、この時間帯が本当の「美肌のゴールデンタイム」といえます。

では、「22時~2時」は全くの誤りかというと、そうでもありません。必要な睡眠時間を確保し、質の良い睡眠をとるためには、午前0時より前、できれば22時ごろには眠った方が良いと思われます。グッスリ眠ると、肌の水分やコラーゲン、ヒアルロン酸の量が増えて肌が美しくなります。

パソコンやスマートフォンなどの画面を長時間みていると、目が疲れたり目の周りにクマができたりします。光の中でも特に「ブルーライト」と呼ばれる青い光が、目の筋肉を疲れさせてクマを作ります。

Woman using phone in bed

ブルーライトは、睡眠にも悪影響を及ぼします。夜にブルーライトを多く浴びると、脳が昼と勘違いして睡眠ホルモンの「メラトニン」が減り、眠気が弱まってしまいます。そのため、寝つきが悪くなったり、睡眠が浅くなったりします。

グッスリ眠って美肌になるためには、眠る1時間前、少なくとも30分前にはパソコンやスマートフォンなどの電子メディアの電源を切りましょう。どうしてもこれらの機器を使いたければ、朝起きてからするのがお勧めです。朝にブルーライトを浴びると、メラトニンが減ってスッキリ目覚められるからです。

睡眠ホルモン・メラトニンでアンチエイジング

私たちの体には、200種類ほどの生体リズムがあります。睡眠と覚醒のほかにも、血圧や脈拍、体温、ホルモン分泌などが、体内時計のリズムに従って、1日のうちで変化しています。

睡眠ホルモンのメラトニンは、目覚めて明るい光を見てから14~16時間たつと、脳の「松果体」からの分泌が増えます。それから1~2時間たってメラトニンの量が十分になると、眠気が強くなります。眠っている間にもたくさん分泌されているメラトニンですが、朝に明るい光を見ると急激に減り、眠気も弱まります。

メラトニンには、抗酸化作用やアンチエイジング作用、抗がん作用などがあります。メラトニンは血管に作用して、血圧を下げ動脈硬化を遅らせます。メラトニンが骨に働くと、骨と作る細胞(骨芽細胞)を元気にして、骨を壊す細胞(破骨細胞)の活動を抑えることで、骨粗しょう症を予防します。メラトニンには神経細胞を守る働きもあり、アルツハイマー病の予防や治療ができる可能性もあります。

メラトニンを増やすために、必須アミノ酸の「トリプトファン」を多くとることをお勧めします。トリプトファンは、牛乳や乳製品、豆・豆製品、肉、バナナ、アボカドなどに多く含まれています。トリプトファンは、まず身体の中で「セロトニン」という物質に変わって、次にメラトニンになります。セロトニンは、脳の覚醒系の神経を元気にしたり、気持ちを穏やかにしたりする働きがあります。そのため、朝食にトリプトファンをとると、日中は目が覚めて気持ちが落ち着いていて、夜にはグッスリ眠れます。

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雨晴クリニック 坪田 聡先生
睡眠専門医。医師、医学博士。
医師として快眠習慣の普及に努めるほか、行動計画と医学・生理学の両面から、睡眠の質の向上に役立つ情報を発信。睡眠に関する著書多数あり。
日本睡眠学会、スポーツ精神医学会、日本医師会所属。

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