【LIFE COLUM】まさに今。7月8月は、ダニが最も多い!?

【LIFE COLUM】まさに今。7月8月は、ダニが最も多い!?

■今の時期のダニについてお話します

環境アレルゲンinfo and care株式会社、代表取締役の白井秀治氏に、この時期のダニ対策やダニの生態についておうかがいしました。

環境アレルゲンinfo and care株式会社 白井秀治
レイコップ・ジャパン株式会社 営業部 佐藤

■ダニが増えやすい季節はありますか。

梅雨時は、気温の上昇とともに湿度も高くなってきます。この梅雨の時期、ダニは活発に活動するようになり、卵を多く産み繁殖していきます。ダニは気温が25℃以上、湿度75%前後で活動が活発になります。まさに梅雨時期から夏の間は、ダニの繁殖に適した時期です。
ダニは、卵から3週から4週ほどで成虫になり、そして成虫となったダニのメスは卵を産み、と繁殖を繰り返し増殖していきます。梅雨時に繁殖したダニは、夏の間増殖を続けるため、夏は一年の中で最もダニの数が多くなりやすい時期です。ダニは餌を食べ、糞をしていくため、夏はダニが増えることと共に、ダニの糞や死骸も増えてくる時期と言えます。

■では家の中でダニが多い場所はどこでしょうか。

用品は、ダニが増えやすいものです。特に1日の約1/3を過ごす寝室、そして毎日使用する寝具は、人の体温からくるあたたかさや汗による湿気、そしてダニの餌となる人のフケや垢などが豊富で、ダニが繁殖しやすい環境が整いやすく、ダニの温床になりやすいものです。

■ダニ対策について教えてください。ダニ対策として洗濯やクリーナーがけの効果は?

洗濯はダニの糞や死骸など、アレルゲンとなるものを洗い流すことに効果的な方法です。

しかし、ダニは洗濯時に水に浸っても、多くは死滅しません。

洗濯後にダニを死滅させるには、天日干してはなく衣類乾燥機。コインランドリー・クリーナーなどの加熱が効果的です。

また、ダニの死滅したダニの除去として、布団表面へのクリーナーがけを行うことも大切です。クリーナーがけは、週に1−2回を目安に、1平方メートルあたり20秒ほどの時間をかけて、布団の表裏から丁寧に吸引します。クリーナーがけを継続することは、ダニやダニの糞や死骸、そしてダニの餌となる人のフケや垢などを減らす効果が期待できます。

■ダニは熱や乾燥に弱いのですか。

ダニは人が火傷をするような高温で死滅し、また乾燥した環境の中では、長く生きていくことはできません。例えば、50℃以上で20分以上加熱することでダニを死滅させることができますが、さらに高温にするとその時間は短縮され100℃近い温度では、数秒で死滅させることが可能です。
家庭での寝具の管理として、布団乾燥機やコインランドリーの乾燥機を用いて、布団内部まで加熱することは、ダニ死滅に有効な手段となります。またクリーナーの温風吹き出し機能を上手に用いることで、寝具表面付近のダニを死滅させることができるものがあります。
布団を加熱し、乾燥した状態を得ることで、ダニが繁殖しにくい状態にすることができると考えられます。

※コインランドリーや乾燥機の後はハウスダストを吸引掃除しないとハウスダスト(埃・ダニの死がい等)は残ったままです。

■熱に弱いのであれば天日干しはダニ対策に有効ですか

布団の天日干しは、汗などにより湿気を含んだ布団を乾燥させ、ダニが繁殖しにくい状態が得られると考えられます。そのことから布団干しは、ダニ対策として是非行いたいことです。しかし、夏の炎天下に布団を干しても、布団の内部や裏側まで、ダニが死滅するほどの高温になることは難しいと思います。そのため、布団干しによるダニの死滅効果はあまり期待できないと考えられます。

■家庭でできるダニ対策とは

ダニ対策とは、ダニを取り除く、死滅させる、ダニの糞や死骸を取り除くなどがあり、いずれもとても大切なことです。住まいの中で、寝具はダニの温床になりやすいだけでなく、ダニの糞や死骸などが溜まりやすく、それらが空中に舞い上がる発生源にもなります。クリーナーがけや丸洗いなどを行い、それらを除去するとともに、ダニの駆除や増えにくくするための対策に是非取り組んでください。

環境アレルゲンinfo and care株式会社 
代表取締役 白井秀治氏


専門はアレルゲンに関わる室内環境整備。所属学会は、日本アレルギー学会、日本職業・環境アレルギー学会、日本ダニ学会、日本獣医学会。環境アレルゲンの対策や除去方法、測定や評価法について、講演やテレビで対策を啓発している。東京アレルギー・呼吸器疾患研究所に所属し、学術活動を行う。

毎日干すことが難しい方はふとんクリーナーの使用を。

天日干しや掃除機ではできないことがある

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