【ドクターズコラム】子供の花粉症対策は万全ですか

■子供の花粉症罹患について

花粉症の子どもが増えています。ある報告によると、5~9歳で13.7%、10~19歳では31.4%と大人同じくらいの発症率です(参考:鼻アレルギー診療ガイドライン 2016年版)。花粉症の症状は、鼻閉や鼻汁などの鼻症状や目の痒みや充血といった眼症状が中心ですが、これらの症状以外に頭痛や喉の違和感を感じることも多いです。特に、子どもは鼻の構造的に空間が少ないので、大人と違ってくしゃみはあまり出ずに鼻が詰まることが多いと言われています。また、工場地帯や交通量の多い街道沿いなどの大気汚染のひどい地域では、住宅地や田園地帯よりもアレルギ-性鼻炎が多いと言われています。

■まずは最大限の予防対策を!

花粉症の一番効果的な対策は原因となる花粉を吸い込まないことです。最近は様々な花粉対策グッズが売られていますが、外出時のマスクやメガネ(ゴーグル)による防御はかなり有効です。子どもサイズのキャラクターのプリントされたマスクや花粉用メガネも手頃な価格で売られていますが、子どもは嫌がってきちんと装着するのは困難だったりします。また、マスクなどでガードしていても、外からの帰宅時には、うがい・洗顔・洗眼などをきっちり行って、花粉を洗い流すのが効果的です。特にこの時期は、洗濯物や布団を外に干すのは避けた方がいいですしそれでも屋内に持ち込んでしまった花粉に対しては、空気清浄機などを使って除去し、寝具に付いた花粉はクリーナーで徹底的に吸い取るのがかなり有効です。

■子供の花粉症投薬治療について

花粉症の薬剤を使っての治療は、大人も子ども基本的には同じで、内服薬と点鼻薬が基本になります。近年、次々と新しい内服薬が出てきています。中には眠気が少なく、自動車の運転に支障をきたさないものがいくつも出ています。もちろん、子どもにも使える新たな薬が出てきており、以前と比べて薬の選択の幅が広がっています。ただし、その効果や副作用の発現には個人差があるので、個人にあった薬を見つけることが重要になります。処方はしてもらったけど、効かないからもういいや!ではなく、再診して相談してみてください。きっとあう薬が見つけられるはずです。一方、点鼻薬も新しい薬が出てきており、刺激性の少ないものは子どもでも抵抗なく使うことができます。点鼻薬はたとえステロイド製剤であっても、体内にはほとんど吸収されないため、小児でも副作用を気にすることなく使えます。

■近年、注目を集めているアレルゲン免疫療法

その他の治療として、近年、注目を集めているのが、アレルゲン免疫療法と呼ばれる、アレルギーの原因物質を、安全な低濃度から徐々に量を増やしつつ投与して体質を改善する方法です。従来は注射による方法のみでしたが、近年、内服薬による舌下免疫療法が始まり注目を浴びています。これは自宅ででき、花粉症の症状を改善することができる治療法ですが、アナフィラキシーやショックなどの反応を伴うことがあるので、治療に対する正しい理解が必要です。

花粉症の患者にとって、春は憂鬱な季節です。子どもでも花粉症の患者は増えており、夜、ぐっすりと寝られない子が増えています。きっちりとした対策で、子どもの健康を守りましょう。

くろだ小児科・耳鼻科

http://www.kuroda-ped-ent.com/

小児科専門医、日本禁煙学会認定指導者、医学博士

山梨大学医学部小児科を始め、山梨県立中央病院、国立甲府病院等で小児血液・腫瘍を専門として、新生児医療や重症心身障害者の診療などにも従事してきたが、これまでの経験と知識を生かすべく、2017年4月に山梨県甲斐市に耳鼻科医の妻と「くろだ小児科・耳鼻科」を開院。また、NPO法人甲斐スポーツ振興会を立ち上げ、スポーツに医学のメスを入れるべく活動中。

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