【ドクターズコラム】アレルギー性鼻炎と睡眠の関係

アレルギー性鼻炎と睡眠の関係​

アレルギー性鼻炎の代表的な症状は『くしゃみ、鼻水、鼻づまり』ですが、アレルギー性鼻炎の患者さんの約半数以上で『鼻がつまって眠れない、鼻水がのどに流れてきて眼が覚めてしまう』などという睡眠障害の症状も見受けられます。

アレルギー性鼻炎は夜間に悪化する傾向があります。その理由としては夜間に体内のステロイドホルモンの分泌が低下する事、臥位によって鼻づまりが増悪する事鼻水が溜まる事で抗原物質(アレルギーの元となる物質)にさらされる機会が多くなることなどが考えられます。

>>睡眠の重要性、睡眠障害の弊害とは

睡眠は体にとってとても重要な意味を持っています。大人にとっては細胞の修復や、子供にとっては身体の発育、脳の発達に関与しています。また記憶の定着などにも関係があります。しっかりと睡眠が取れることが極めて重要であり、睡眠障害による様々な疾患の発症が見られたり、疾患によりもたらされる睡眠障害との関連が注目されています。

睡眠障害がもたらすものは、成人では日中の眠気、集中力が低下し仕事の効率が落ちること。ひどい場合では、運転中や作業中に居眠りをして事故を起こす可能性もあります。子供では慢性的な睡眠障害が脳の発達を妨げ、学業成績の低下、落ち着きがない、怒りっぽいなど発育に悪影響を与える可能性があります。

夜間の鼻づまりに対する治療

鼻づまりに効果的な薬物治療としては、ステロイド点鼻薬が第一選択となりますが、近年、抗アレルギー薬の中にも鼻づまりに効果の高い種類の薬も開発されています。寝る前に生理食塩水による鼻洗浄をする事も効果的です。より大掛かりな治療としては局所麻酔によるレーザーを用いた鼻粘膜焼灼術、鼻の内部の骨格的な異常が原因である場合には全身麻酔による鼻中隔矯正手術、粘膜下下鼻甲介骨切除術が必要となる場合があります。

>>鼻づまりを起こしやすい寝室環境とその対策

寝室の環境が睡眠時の鼻づまりに関係している場合も考えられます。

①部屋が乾燥している。

②ほこりっぽい部屋である。

③寝具にペットの毛がついている。

以上のような寝室環境には注意が必要です。

その対策としては湿度、温度を調節する(理想的には50%程度の湿度)、部屋の掃除、寝具の掃除をこまめに行うこと、マスクをして寝る事など睡眠時の寝室環境を整えることが重要です。

アレルギー性鼻炎と睡眠には密接な関係があり、セルフケアではなかなかコントロールできない鼻づまり症状、アレルギー性鼻炎の診断・治療については一度耳鼻咽喉科に相談することをお勧め致します。

宮本 秀高
筑波大学附属病院 耳鼻咽喉科・頭頚部外科 病院講師
専門:鼻科学(鼻副鼻腔手術、頭蓋底手術)
鼻副鼻腔疾患(副鼻腔炎、鼻閉、鼻アレルギーなど)を中心に診療を行っております。

快眠は寝床内の温度で決まります。

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