【ドクターズコラム】睡眠と夢の関係

■「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」とは

睡眠は2種類の眠りに分けられます。「レム睡眠」「ノンレム睡眠」です。レム睡眠は、Rapid Eye Movement(急速眼球運動)の頭文字から名付けられました。レム睡眠中には目玉が素早く動いているからです。レム睡眠中に身体は休んでいますが、脳は忙しく働いています。ネコが横になって、ゴロンと眠っているのがレム睡眠です。一方、ノンレム睡眠では脳は眠っていますが、身体は姿勢を保つくらいに筋肉の緊張が保たれています。ネコでは伏せの状態で、行儀よく眠っているのがノンレム睡眠です。

■ノンレム睡眠中の夢

夢を見るのは眠りが浅いからではありません。私たちはみな、毎晩ねむると夢を見ています。レム睡眠中に強制的に目覚めさせると、約8割の確率で「夢を見ていた」と答えます。レム睡眠の時の夢は、感情の変化を伴いストーリー性が高く色彩が豊かで、時に奇妙な内容です。一方、夢はノンレム睡眠のときにも見ることがありますが、あまり多くはありません。ノンレム睡眠中の夢は、単純な内容で色彩もあまり鮮やかでないことがほとんどです。

レム睡眠中には、記憶の整理や固定、記憶を引き出すための索引づくりが行われています。目覚めているときに外界から受け取ったり、自分で考えたりした膨大な量の情報の中から、必要なものだけを残して不要なものを捨て、大事な情報をいつでもすぐに取り出せるように整理して保存しています。この作業中に情報と関連した映像が浮かぶと、それを夢として認識しているようです。

■「夢判断」を著わしたフロイト

なぜ、眠ると夢を見るのでしょうか? 「夢判断」を著わしたフロイトは、夢を「押さえつけられていた願望が形を変えて表れたもの」と考えました。また、心理学者のユングは、「夢は偏った意識を補い修正する」と言っています。どちらも魅力的な解釈ですが、今では否定的な意見が多くなっています。

実は、夢を見る理由はまだはっきり分かっていません。有力な仮説は、次の5つでしょう。

  • いらない情報の消去
  • 新しい体験と過去の記憶の統合
  • 起きている時の行動のシミュレーション
  • 現実世界での問題の解決法を探すこと
  • 特に意味はない

夢を見るなら、自分が見たい夢を見たいものです。そのためには、「見たい夢のイメージを強く持つ」「良い睡眠をとる」「見た夢を忘れない」ことが大切です。眠る直前に見たり聞いたり考えたりしたことは、夢に出てくる可能性が高くなります。夢で見たい人や場所などが写っている写真などを眠る前によく見て、それを枕元に置いておくと良いでしょう。睡眠の質が悪かったり睡眠時間が短すぎたりすると、良い夢を見られません。生活の習慣や寝室の環境を見直して、グッスリ眠りましょう。目が覚めたらすぐに、夢の内容を思い出して記録に残しましょう。はじめは断片的にしか思い出せなくても、記録を続けると細かいところまで思い出せるようになるかもしれません。

雨晴クリニック 坪田 聡
睡眠専門医。医師、医学博士。
医師として快眠習慣の普及に努めるほか、行動計画と医学・生理学の両面から、睡眠の質の向上に役立つ情報を発信。睡眠に関する著書多数あり。
日本睡眠学会、スポーツ精神医学会、日本医師会所属。

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