【ドクターズコラム】ダニアレルギーが関与する代表的アレルギー「アトピー性皮膚炎」とは?

【ドクターズコラム】ダニアレルギーが関与する代表的アレルギー「アトピー性皮膚炎」とは?

ダニアレルギーが関与する代表的アレルギー性疾患のひとつであるアトピー性皮膚炎は、痒みの強い「湿疹」と呼ばれる赤い発疹が全身に多発し、長期間にわたってよくなったり悪くなったりを繰り返す慢性の皮膚病です。多くのアトピー性皮膚炎の患者さんは「アトピー素因」と呼ばれる体質を生まれつき持っています。「アトピー素因」とは、平たくいうと「アレルギーを起こしやすい遺伝的体質」のことです。

アトピー性皮膚炎の発症から経過

多くの患者さんは幼小児期に発症し、さらに大部分の患者さんは中学生くらいまではアトピー性皮膚炎の症状とつきあいながら過ごします。しかし、8割の患者さんは中学・高校時代に症状がだんだん軽くなり、やがて自然治癒します。つまり、アトピー性皮膚炎患者さんの大部分は大人になるまでに完治します。残りの2割の患者さんは大人になっても症状が改善せず、そのように成人まで持ち越したアトピー性皮膚炎は一般的に難治で、年余にわたって症状が続きます。さらに、近年は、小児期には特に症状がなかったのに、大人になってからアトピー性皮膚炎を発症する成人発症のアトピー性皮膚炎も増えています。

アトピー性皮膚炎の症状

アトピー性皮膚炎の主な皮膚症状は、大きく分けて ①乾燥肌、②湿疹、③かゆみです。

乾燥肌

 

湿疹

 

かゆみ

 

①乾燥肌
乾燥肌とは、読んで字のごとくカサカサした皮膚のことで、空気が乾燥する冬期に目立ちます。ひどい場合は、粉が吹いたようになったり、皮膚に亀裂が入ったりします。皮膚には、外部環境から体内に異物が入らないようにブロックする「バリア機能」がありますが、乾燥肌の皮膚は、この「バリア機能」が低下しており、ダニ抗原などのアレルギーの元になる物質が体内に侵入しやすくなっていることがわかっています。

②湿疹
湿疹とは、痒みの強いジクジクした赤い発疹(写真1)のことで、典型的な湿疹の発疹は、いわゆる「かぶれ」です。初期はジクジクした(読んで字のごとく湿った)赤い発疹ですが、この「急性湿疹」の状態が長期間続くと、逆に乾いて皮膚の厚さが厚くゴワゴワした「慢性湿疹」(写真2)に変化します。

③かゆみ
乾燥肌は痒みを伴うことが多く、湿疹は強い痒みを伴います。重症のアトピー性皮膚炎の患者さんは、夜も眠れないほどの全身の強い痒みに悩まされ、日常生活の質が著しく低下してしまいます。

アトピー性皮膚炎とダニアレルギー

健康な皮膚は強力なバリア機能を持っているため、室内塵に含まれるダニ抗原は、皮膚バリアではね返されて体内に侵入できません。しかし、アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚では、上述したように皮膚のバリア機能が低下しているため、皮膚でブロックされるはずのダニ抗原が容易に体内に侵入してアレルギー反応を引き起こします。この皮膚におけるアレルギー反応が赤くて痒い発疹(=湿疹)です。アトピー性皮膚炎の患者さんの血液を調べると高率にダニアレルギーが見つかります。従って、アトピー性皮膚炎の患者さんは、できる限りダニ抗原を避けることが症状緩和につながります。

ドクター
東京医科大学茨城医療センター 皮膚科
教授 川内康弘先生

1987年 筑波大学医学専門学群卒業
1993年 筑波大学大学院博士課程卒業。医学博士
2014年 東京医科大学茨城医療センター皮膚科 教授

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