アレルギーの素因がある場合、早いうちからアレルギーの予防をしていく上でアレルギーマーチの考え方は重要です。アレルギー体質を獲得することを感作といい、これを予防することを一次予防といいます。
喘息やアトピー性皮膚炎の発症を予防することを二次予防、一度発症したアレルギー疾患の増悪(症状が悪化すること)を予防することを三次予防といいます。アレルギー疾患の一次予防は家族歴(親または兄弟の少なくとも一人にアレルギー性疾患がある)のある乳児に対して主としてアレルゲン感作前の出産直後に実施すべき予防であると考えられています。
具体的には生後4か月まではできるだけ母乳栄養で育てること、それが難しい場合は低アレルギー性栄養(加水分解乳)で育て、大豆乳は与えない方がよいと考えられています。離乳食が始まった後も特に生後1年以内はバランスのとれた食事を心がけ、母親もこどもも食事制限は推奨されておらず、魚類摂取も推奨されています。
ペットに関しては特にネコの飼育を避けることが推奨されています。またカビの発生やダニの増殖を防ぐため、室内温度・湿度に注意します。他には妊娠期のタバコの受動喫煙を避けること、室内外の大気汚染の曝露を減らすことなどが推奨されています。特にアレルゲン曝露、呼吸器感染症、喫煙、食品、薬品、食物添加物などは二次予防、三次予防には共通項目としてガイドラインに挙げられています。
アレルゲン曝露としてはダニやペットのアレルゲンを回避、特に寝室での曝露を減らすことが喘息の発症や増悪を抑える可能性があります。こどものアレルギーの原因の多くはダニアレルゲンによるものが多いですので、寝具、寝室の環境整備を継続することが重要です。
お気に入りの記事はSNSでシェアしよう!