私たちの体には、200種類ほどの生体リズムがあります。睡眠と覚醒のほかにも、血圧や脈拍、体温、ホルモン分泌などが、体内時計のリズムに従って、1日のうちで変化しています。
睡眠ホルモンのメラトニンは、目覚めて明るい光を見てから14~16時間たつと、脳の「松果体」からの分泌が増えます。それから1~2時間たってメラトニンの量が十分になると、眠気が強くなります。眠っている間にもたくさん分泌されているメラトニンですが、朝に明るい光を見ると急激に減り、眠気も弱まります。
メラトニンには、抗酸化作用やアンチエイジング作用、抗がん作用などがあります。メラトニンは血管に作用して、血圧を下げ動脈硬化を遅らせます。メラトニンが骨に働くと、骨と作る細胞(骨芽細胞)を元気にして、骨を壊す細胞(破骨細胞)の活動を抑えることで、骨粗しょう症を予防します。メラトニンには神経細胞を守る働きもあり、アルツハイマー病の予防や治療ができる可能性もあります。
メラトニンを増やすために、必須アミノ酸の「トリプトファン」を多くとることをお勧めします。トリプトファンは、牛乳や乳製品、豆・豆製品、肉、バナナ、アボカドなどに多く含まれています。トリプトファンは、まず身体の中で「セロトニン」という物質に変わって、次にメラトニンになります。セロトニンは、脳の覚醒系の神経を元気にしたり、気持ちを穏やかにしたりする働きがあります。そのため、朝食にトリプトファンをとると、日中は目が覚めて気持ちが落ち着いていて、夜にはグッスリ眠れます。
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