【ドクターズコラム】「よい睡眠をとると免疫力があがる」って本当?

■睡眠と免疫力の関係

■睡眠不足や睡眠の質の悪化が風邪をよぶ

睡眠不足が続くと、風邪をひきやすくなる」という話を知っていますか? アメリカで行われた研究では、「睡眠時間が7時間未満の人は、8時間以上眠る人に比べて3倍以上も風邪をひきやすい」ことがわかりました。また、寝つきが悪いとか夜中に目が覚めるなどで、睡眠時間全体の2〜8%が眠れなかっただけで、ぐっすり眠れた人に比べて約5倍も風邪をひきやすいというデータもあります。

細菌やウィルスに対する抵抗力(免疫力)は、睡眠中に維持・強化されています。そのため、睡眠時間が減ったり、細切れにしか眠れなかったりする状態が続くと、身体の抵抗力(免疫力)が落ちて、風邪やインフルエンザにかかりやすく、かつ治りにくくなってしまうのです。

風邪やインフルエンザになると眠くなるのも、免疫のはたらきに関係しています。ウィルスに感染した細胞やウィルスを退治しようとする細胞は、「サイトカイン」という物質を出します。サイトカインは熱に弱いウィルスを殺そうと、体温を上げます。一方で、他の活動を止めてウィルスとの戦いに専念するため、身体を休ませようとして眠気を強くするのです。

■自律神経が乱れると免疫力が落ちる

自律神経には、「交感神経」「副交感神経」の2つがあります。交感神経は「昼の神経」とも呼ばれていて、主な働きは身体を「闘争・逃走」できるようにすることです。一方、副交感神経は「夜の神経」で、休息や睡眠をつかさどります。自律神経は免疫の調整にも関係しています。

睡眠が不足するとストレスを強く感じるようになって、交感神経が優位になります。そうすると、ますます眠れなくなります。ストレス状態が長く続くと、自律神経のバランスが崩れてしまいます。自律神経がうまく働かないと、免疫力が落ちて風邪などをひきやすくなります。

■睡眠中に増える成長ホルモンが身体を守っている■

昔から、「寝る子は育つ」と言われてきました。これは科学的に見ても本当のことです。身体が大きくなるために重要な成長ホルモンは、寝ついてから最初に深く眠ったときに、大量に分泌されます。この「成長ホルモンのシャワー」を浴びて、子どもは大きく育っていきます。思春期を過ぎると成長ホルモンの量は減りますが、大人でも傷んだ細胞の修復や疲労回復に大切な役割を果たしています。

成長ホルモンは、睡眠のリズムと関係が深いホルモンです。もし、十分な睡眠時間が取れないと、夜の睡眠の前半に見られる血中濃度のピークが小さくなってしまいます。そうなると、日中の活動で傷ついた細胞のメンテナンスに支障をきたし、ウィルスが体に侵入しやすくなったり、風邪やインフルエンザが治りにくくなったりします。十分な量の成長ホルモンを分泌させるためにも、睡眠はとても大事だということです。
睡眠時間も大切ですが睡眠の質、そのものを見つめなおし自己免疫力の強化で健やかな身体作りを始めましょう。

雨晴クリニック 坪田 聡
睡眠専門医。医師、医学博士。
医師として快眠習慣の普及に努めるほか、行動計画と医学・生理学の両面から、睡眠の質の向上に役立つ情報を発信。睡眠に関する著書多数あり。
日本睡眠学会、スポーツ精神医学会、日本医師会所属。

■結論:寝床内の温度をコントロールする事が重要でした■

お気に入りの記事はSNSでシェアしよう!

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE