【ドクターズコラム】放っておくと危険!室内のカビとアレルギーの関係

【ドクターズコラム】放っておくと危険!室内のカビとアレルギーの関係

カビはダニ、ペット、花粉と並んでアレルギー疾患の重要な原因アレルゲンであると考えられています。 今回は主に室内(寝室)のどのようなカビがアレルギー疾患の原因となり得るかについて説明します。

It is a picture of a Japanese baby who is 8 months old

カビは目に見えなくても、住環境のありとあらゆるところに発生

カビは目に見えなくても住環境のありとあらゆるところに分布しています。特に比較的高湿である浴室、洗面所、トイレ、台所、押入れなどに多く発生しやすいと考えられていますが、寝室も汚染されていることがあります。

寝室では押入れ、結露のある窓ガラス、カーテン(カーテンの裏)、畳(特にカーペットを敷いている畳)、布製のソファー、衣類、ぬいぐるみなどの布製品、セントラルヒーティングやエアコンの空調ダクト、観葉植物の土、天井などにもカビが発生することが多いです。

代表的なカビと、カビが引き起こすアレルギー疾患

室内に発生するカビは多数の種類がありますが、代表的な4種類のカビを紹介します。

◆ 衣類・ホコリ・空調ダクトなどに発生するクロカビ(クラドスポリウム)

◆ 植物・衣類・ホコリ・空調ダクトなどに発生するスズカビ(アルテルナリア)

◆ 畳・衣類・ホコリなどに発生するアオカビ(ペニシリウム)

◆ 革製品・押入れ・畳・木材・書籍など一見湿っていないような場所に発生するコウジカビ(アスペルギルス)

カビでアレルギー症状を起こすときは、カビのアレルゲンを吸入することによって起こります。

この代表的な4つのカビの種類は、どれもぜんそくやアレルギー性気管支肺真菌症の原因になる可能性があります。特にコウジカビ、スズカビは、アレルギー性鼻炎アレルギー性真菌性副鼻腔炎の原因になる可能性があると考えられています。他にも、カビが関与するアレルギー疾患としては気管支ぜんそくアトピー性皮膚炎過敏性肺炎などの疾患があります。

過敏性肺炎は湿った木材、畳、台所などの水回り、植物、ホコリ、ヒトの垢に発生することが多いトリコスポロンが原因となることが多く、夏型過敏性肺炎と呼ばれています。

それ以外にもアスペルギルスやキノコの胞子、カビ以外の細菌の一種や鳥類の排泄物に含まれるたんぱく質や有機物質なども原因となることがあります。

アトピー性皮膚炎は、皮膚に常在するマラセチアという酵母様真菌(カビ)が関係することがわかっています。マラセチアは皮膚の中でも頭部、顔面、上胸部などの脂漏部位に多く分布することが知られています。またアトピー性皮膚炎の原因であるダニは、カビを食べて増殖しますのでカビの多いところにはダニも多いと考えられます。

寝室を中心に。カビを防ぐ方法は、ダニを防ぐ方法と似ています

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室内を除湿し、結露が発生しないようにすること、押入れや家具の間には隙間を作ること、寝室には水槽や観葉植物など水分を発生するものは置かないこと、ふとんや衣類の部屋干しをしないこと、部屋干しをするときはエアコンや扇風機などを使用して湿気を増やさないなどの工夫をすること(上図参照)で、カビの発生を抑えることが可能になります。

特に寝室での対策が肝心です。カビとダニは同時に増殖します。

カビは梅雨時期に発生しやすいと考えられがちですが、最近の住宅が気密度に優れていることから秋や冬にも増えることが知られていますので、一年を通じて対策を立てるようにするとよいと思います。

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ドクター
国立病院機構埼玉病院呼吸器内科
釣木澤 尚実 先生

医学博士
長崎大学医学部卒業/横浜市立大学医学部大学院卒業
現国立病院機構埼玉病院 呼吸器内科
専門;アレルギー・呼吸器病学

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