【ドクターズコラム】放っておくと危険!室内のカビとアレルギーの関係

【ドクターズコラム】放っておくと危険!室内のカビとアレルギーの関係

冬の気候と皮膚バリア機能

本格的な冬の季節に入りました。冬になると肌は乾燥して、かゆみを感じたり、手荒れ、霜焼け、赤切れなどの皮膚のトラブルも増えたりします。

空気が乾燥している冬季には、皮膚表面から水分が奪われやすくなり、バリア機能に負担がかかるのはすぐに想像がつくと思います。外気が乾燥していれば、“脂質の蓋”天然保湿因子がより多く必要になります。

日本の冬の気候が原因?!

では、冬の気候の特徴の中で何が良くないのでしょうか?

それは低い露点温度と高い気圧です。これは日本の1~2月にかけて典型的に見られる気候の特徴です。水分の凝結、つまり結露が始まる温度(露点温度)が低下すると、空気が多くの水分を保持できなくなり、冬の窓際に見られるような結露ができるわけです。

また、夏季と比べて気圧も高くなるために、気圧の低い状態と比べた場合に、表皮の水分保持がより困難となるために乾燥しやすくなり、結果として手荒れや赤切れを起こしやすくなると考えられています。

低温が皮膚バリア機能に与える影響

さらに、低温そのものの皮膚バリア機能に与える影響はどうでしょうか?実験などからは、皮膚の伸展性、保湿能、バリア修復能の低下乾燥とかゆみの増加が示されていて、これもカサカサやかゆみをさらに増強させると考えてよいでしょう。

このように、実験データから冬は皮膚バリアに大変負担のかかる季節であることが示されています。いつもよりも更に保湿を心がけ、この季節を乗り切りましょう。

アトピー性皮膚炎 筑波大学皮膚科 石塚洋典
皮膚科専門医。医学博士

診療のかたわら、皮膚のバリア異常が関与する病気や、角化の基礎的な研究を続けている。

軽くて楽々!ベッドに絡まりやすい髪の毛や、ペットの抜け毛もキャッチ!

ブログに戻る