【ドクターズコラム】記憶力を高めるための快眠法

【ドクターズコラム】記憶力を高めるための快眠法

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夜の睡眠や昼の仮眠は記憶を強化する

テスト前日に徹夜して、一夜漬けで勉強することがありますが、これは効果があるのでしょうか?

徹夜で勉強すると、勉強してから眠るよりも学習時間が長くなるため、量的に多くのことを記憶できます。また、勉強以外のことで頭を使うことも少ないため、記憶したことの多くが忘れられず脳に残ったまま、テストを受けられます。そのため、徹夜して覚えたことを思い出しやすく、比較的よい成績をとれることがあるのです。

ところが残念なことに、徹夜で勉強したことの多くは、数日も経つとキレイさっぱり忘れてしまいます。1回のテストで全てが決まるのなら、テストの後に記憶がなくなっても構わないでしょう。しかし、大学入試や資格試験は合格したあとにも、それまでに勉強した知識を使えなければ意味がありません。

実は、記憶を脳に定着させるためには、ぐっすり眠ることが必要なのです。

徹夜するより睡眠をとった方が記憶を定着させやすい

意味をなさない単語10個を覚えてもらい、8時間後にいくつ覚えていたかをテストする実験があります。1つのグループには覚えた後に起きていてもらい、もう1つのグループには睡眠をとってもらいました。覚醒グループは8時間後に、0~2個の単語しか覚えていませんでした。ところが、睡眠グループは、5~6個の単語を覚えていました。

 睡眠中には、起きているときに覚えたことのうち、いらないものは捨てられ、必要なことは記憶されます。一夜漬けでは睡眠をとらないため、記憶が定着しにくく、すぐに忘れてしまうのです。しっかり記憶したければ、覚えた後ぐっすり眠るのが効果的です。

 仮眠にも記憶を強化する働きがあります。学習した後に短い時間だけ仮眠をして、どれだけ記憶できたかを調べた実験があります。このとき、仮眠の間に深い睡眠が多いほど記憶の再生率がよく、脳が活発に活動していることが分かりました。実際、福岡県の高校が1日15分の昼寝タイムを設けたところ、仮眠を定期的にとった生徒は、勉強にやる気が出て、成績も向上したと答えています。

記憶力をアップする睡眠法

最後に、記憶力を良くするための眠り方をご紹介します。

 布団に入る前には少し勉強を離れて、リラックスできることをしましょう。軽めの本を読んだり好きな音楽を聴いたり、ぬるめ(38~40度)のお風呂に入ると気持ちが落ち着きます。

 電子機器の画面からは、睡眠ホルモンのメラトニンを減らすブルーライトが多く出ています。テレビやパソコン、スマートフォンなどは、就寝前の1時間は見ないようにしましょう。

 寝室の環境も大切です。室温は16~26度、湿度は50%前後がおすすめです。真っ暗でも問題ない人は、照明をすべて消してなるべく暗くして眠りましょう。暗闇が苦手な人は、光が直接目に入らないようにして、暗めのフットライトなどを点けておけば安心です。

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雨晴クリニック 坪田 聡先生
睡眠専門医。医師、医学博士。
医師として快眠習慣の普及に努めるほか、行動計画と医学・生理学の両面から、睡眠の質の向上に役立つ情報を発信。睡眠に関する著書多数あり。
日本睡眠学会、スポーツ精神医学会、日本医師会所属。

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